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スナメリのこと

そして、ジャック・マイヨール・・・

スナメリのことを思っていました。
伊勢湾、そして三河湾とみかける、クジラ目、ネズミイルカ科のあのスナメリです。
実際は灰色をしていますが、海の中で出会う彼らは、とても白く見えます。
あたまがちょっと大きくて、とてもかわいらしい。
「キュー キュー」といった鳴き声をするのは、ほかのイルカと同じです。
でも背びれはありません。

ヨットの速度と、彼らが遊ぶ速度と、ちょうどよくシンクロするのかもしれません。
ヨットの周りを泳ぎ回り、そして時には、ラダーに体を摺り寄せたりして、ずっとついてきます。
ゲストをヨットに招いたりしたとき、運が良くスナメリに遭遇すれば、ほとんどの人たちが
この「三河湾」にこんな生き物が生息しいていることに、驚きます。

スナメリや他のイルカのように、しなやかに、自由に、海の中を泳ぎまわりたいと、いつも思います。
少し前に、「グラン・ブルー」で有名になったジャック・マイヨールに関する、ある海の雑誌を見ました。
彼は、ずっと、「ホモ・デルフィス」なる考え方を、まとめていたそうです。
それは、母なる海を源とする人類は、イルカと同じように水棲能力を備え、再び海に還り
「ホモ・デルフィス」へ進化していく・・・・というものです。
年老いた彼の、深く青い海の中での写真は、自由で、まさにイルカのようにいきいきとしていた。
まさにその考えを、彼は自分の体で実践し、感じていたのでしょう。
海の中で佇む時が、きっと一番彼らしく、居心地がよかったのではないかと感じます。
逆にこの人間世界は彼にとっては、窮屈で息苦しく、自殺という結果になってしまったのかもしれません。

若き頃のジャックに向けた、恋人の言葉が載っていて、印象的でした。
「自由が大事だとか、楽しく過ごさなければ人生でないとか、イルカのように生きたいだとか
偉そうなことを言っているけれど、あなたが一番複雑な生き方をしている。
全然、楽しそうじゃない。常に何かを考え、常に何かに悩んでいる・・・」

漠然と、思考がまとまりません・・・・。
そして、随分とモヤモヤとしています。
でも、もう一度、あの「グラン・ブルー」を見てみよう・・・・そう思います。

by tradewind6131 | 2007-01-23 23:59 | 海の話  

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