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フィンの先の意識

ボードの下の「切れる」感覚
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(新しい小さいサイズのジミールイスのボード)

ウィンドサーフィンのボードに付いている「フィン」に比べて、カイト・ボードのそれは
なんとも心もとないほど、小さい。
ウィンドサーフィンの「フィン」の水中での「在り様」をイメージしながら、ボードのボトムに流れる水流を
イメージしながら乗っていた感覚が、カイトでは随分と邪魔をしていました。
あの、心もとない小さな4つのフィンは、それ自体に揚力を発生させて、まるで飛行機の翼のように
ボードを浮き上がらせ、そして風上に上るウィンドのそれとは、役割が根本的に違うのです・・・。
もちろん、理論的にはわかっていたのですが、実際乗ってしまうと
結局、フィンに頼る動きをしてしまっていたのでした。
薄く、小さなカイトボードは、そのエッジをスノーボードのように海面にエッジングすることで
カイトの強大なパワーとバランスを取り、風上に上ったりできるのです。
その動きは、風上に上るとき、ウィンドサーフィンの世界ではボードの「アンヒール」となり
ボードスピードを殺し、結果、上れなくなるのでした。

足元のボードのその下が、ようやく、イメージできるようになった先週末でした。
冷たく堅い、淡水に近い水に、エッジの食い込む様・・・・。
4つのフィンの、そのいくつかが、ボードの向きをスイッチするい際に、引っかかる感覚・・・。
ボトムを流れる水の様子を自然にイメージできることに、「昔の感覚」を取り戻せたような・・・。

これは、きっと、意識がカイトばかりだったのから、少し「足元」に移ったからかもしれません。
思い起こせば、いつも視線は、上空のカイトばかりでした。
空を見上げても風は見えるわけではないけれど、「確認」していないとなにか不安だった。
カイトへの感覚が「無意識」になったことで、足元のボードの下の感覚が、ようやく蘇ったのかもしれません。

ヨットにも、ずいぶんと大きな「フィン」がついています。
キール・・と呼ばれるバラストです。
ヨットでも、これまた揚力を発生して、風上へ上る働きをするのですが
スピードが遅いのと、なにより、ヨット自体が大きくて、体でそれを感じることは難しい。
理論的に理解し、最適なコントロールを、理屈でしていく、そんな感じです。
それに比べ、ウィンドはもっと、そしてそれ以上に小さな乗り物のカイト・ボードは「感覚的」です。
この「感覚」は、もちろんフィジカルな練習の結果磨かれるものでもあるわけですが
その時々の、メンタルな状態が随分と影響したりします。
海にはいるとき、自分が、とてもスピリチュアルな状態であればあるほど
風や足元の海や、そしてそれとの一体となって動く自分が、イメージングできるのです・・・・。

そんな思いで、深夜、ボードを見つめれば
なんだか愛しく、撫でてみたり・・・・・。

ここしばらくいろんな、シンプルでないことに、心が振り回されて
心の奥底の感覚が、少し鈍かった気がします。
心が何事にも響かない日は、ブログすら書く気になれません。
三月を目前に控えて、いろんな「感覚」を、呼び覚ましたいと願います。
「感性」で動くことが、一番、ぼくらしいと信じていますから・・・・・。

by tradewind6131 | 2007-02-26 22:40 | 海の話  

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